一人で家に居た時の事だ。
来客を知らせるインターフォンが鳴ったので、玄関を開けた。
立っていたのは黒衣の老婆だった。
フードの下に見えるのは、蝋の様なくすんだ白い肌とそこに刻まれる深い皺だ。
俺は、怪しげな雰囲気に圧倒され、声を出せずにいた。
「亜里香はいるか?」
老婆は俺の妹、笠井亜里香(かさいありか)を尋ねて来たらしい。
居たとしても、この老婆に対してうそぶいていただろうが、亜里香は外出中だった。
俺は首を横に振った。
「では、伝えておけ! お前の兄に【おちんぽ人間】の呪いを掛けた! 戻して欲しくばワシから盗んだ魔法のオーブを返せと!」
一気にまくし立てられ、理解が追いつかない。
おちんぽ人間? オーブ?
何やらさっぱり分からない俺の前で、老婆は奇声を上げた。
「キェェェェイ!! おちんぷいぷいっ! チンポォォァァァ!! キエェェェイィィィ!!」
頭がおかしい老婆だった。
刃物や何かでも所持していて、襲い掛かってくるのではないかと、俺は身構えた。
老婆は叫び疲れたのか、しばらくぜぇぜぇと肩で息をしていたが、静かに背を向け、去っていった。
「なんだったのか……」
*
一息吐いた俺は、亜里香に電話で確認を取った。
あのイカれっぷりを考えるに、亜里香には全く身に覚えがない相手かも知れない。
そう考えていたが、意外にも亜里香は思い当たる節があるらしく、老婆の話を聞くやいなや、帰ってくるらしい。
なんなのだろうか。
何かを盗んだとか、老婆は言っていたが、亜里香の奴、何かやらかしちゃいないだろうか。
可愛くて利口な自慢の妹に限って、万引きなんて愚行は犯していないはずだが……。
ぼんやりと老婆と妹について考えていると、無性にムラムラして来た。
おちんぽがグングン上を向き、固くなる。
おちんぽが熱い。
性とはかけ離れた事柄を頭に浮かべ、何とか勃起を鎮めようと試みるが、無駄だった。
それどころか、卑しい妄想ばかりが湧き出てくる。
よりによって、妹の裸体や、淫らな姿だ。
確かに亜里香は可愛いし、何度か下着を盗んでオナニーをした事もある。
だが、血の繋がった妹なのだ。
こうまで狂おしく亜里香に劣情を催す事など、今まで無かった。
(……今この状態で亜里香が帰って来ては、不味い事になりそうだ)
自身の行動を理性でコントロール出来るかも怪しいほどに、妹への欲情が募っていた。
このまま亜里香の顔を見れば、襲い掛かってしまいそうだ。
そうだ、おちんぽシコシコして、一度出すものを出せば、冷静になるだろう。
亜里香が帰って来るまでには、まだ時間がかかるはずだ。
そうと決めれば、早速オナニーだ、と俺は亜里香の部屋へ駆け込んだ。
彼女のベッドに潜り込み、深く息を吸い込む。
亜里香の香りが鼻腔をくすぐり、肺を満たす。
幸せな気分になりながら、俺は下半身を露出させ、おちんぽを握り締めた。
何という事か。
握っただけで気持ち良い。
物理的刺激は一切なく、妄想と匂いだけで、俺のおちんぽはイク寸前の様に敏感だった。
2~3擦りでイッてしまうかも知れない。
その前に、もっと亜里香の匂いを堪能しておこう。
枕に顔を埋め、鼻をスンスンと鳴らす。
シャンプーと亜里香の匂いが程良く混ざり合った、男を狂わす魔性の香りだ。
ドクンとおちんぽが脈打ち、我慢汁があふれ出した。
体勢はきついが、今日はこのまま枕に顔を埋めながら、フィニッシュしよう。
おちんぽの下にティッシュを敷いて、いよいよ扱く寸前だ。
亜里香の声が響いた。
「待って~! お兄ちゃん! オナニーしちゃ駄目ぇぇ!!」
慌てて振り返ると、息を切らした亜里香が立っていた。
「なっ、あっ、亜里香、こ、これは……!!」
「説明は後でするから! 今はじっとしてて!」
切羽詰った様子の妹に気圧され、俺はおちんぽ丸出しのまま、コクコクと頷いた。
そこに座ってと、指示されるまま、おちんぽ出したまま、俺はベッドに腰かけた。
何をするのかと思いきや、妹は俺の足元にちょこんと座ったのだ。
目の前には上向きの我慢汁を流すおちんぽ。
まるでこれからフェラチオでもするかの如き体勢。
エロ過ぎる! これは血の繋がった妹でもエロスを感じずにはいられない!
これ、誘ってるんじゃないか、押し倒しても良いんじゃないか、良いよね。
そんな欲望が思考の八割を超えていた。
「は、初めてだから、上手に出来ないかもしれないけど、我慢してよね!」
鬼畜変態兄貴の誹りを受けようとも、襲ってしまえ、と伸ばした手をピタリと止める。
上手に出来ないとは、一体何か。
考えが追いつくよりも早く、亜里香は、亀頭をぱくりと咥えた。
「ふぉっ!?」
生暖かい口内の感触に包まれる敏感な亀頭。
それだけでヤバイものの、亜里香はおちんぽを更に深く飲み込む。
「ま、待て待て! ヤバイヤバイ!」
すぐに射精してしまいそうだ。
妹が上目遣いに俺を見つめ、動きを止める。
「こ、これ以上は……もう今すぐにでも射精しそうなんだ!」
いかなる心境の変化で兄のちんぽを咥え、しゃぶって見ようと思ったのか分からないが、妹のお口にちんぽ汁びゅるびゅる出しちゃうのは、イケナイ事だと思うのだ。
妹は何かを察したように、目を伏せ、おちんぽをゆっくりと口から引き抜き始めた。
良かった。すでに越えてはいけない一線を越えている気はするが、口内射精は免れたようだ。
「じゅるっ、じゅるる、じゅぷぷぷ……」
全然免れていなかった。再び亀頭を口に含んだ亜里香は、じゅるじゅると唾液で淫らな音を立て、刺激した。
仕上げと言わんばかりに、喉奥におちんぽの先端が触れそうな程、深く咥え込んだ。
ただでさえイク寸前だったおちんぽが、これに耐えられるはずもなく、俺は射精した。
妹のお口の中で、おちんぽがびくびくと震え、金玉から精液が尿道を駆け上がり、びゅるるっと喉奥に吐き出された。
「ん、んくっ……ん、んん……」
なんと言う事でしょう。
俺の妹は初めてのフェラチオでザーメンごっくんしてしまっている。
少し苦しそうな声を漏らしながら、喉が動く。
なんてエロい光景だ。
「ん、はぁ……はぁ……。気持ち良かった?」
「あ……ああ……気持ち良かった……凄く……」
「ふふ、良かった」
にっこりと笑う妹に、戸惑う俺。
何故俺はおちんぽしゃぶしゃぶされ、ザーメンを搾り取られたのか。
あの老婆と何か関係があるのだろうか……。
「あの、お兄ちゃん? 詳しくは今から説明するから、まずはズボンを……」
「す、すまん。ちょっと待っててくれ」
脱ぎ捨てたパンツとズボンを穿き直し、俺達は小さなピンクのテーブルに向かい合って座った。
「えっと……。まず最初に。私、実は魔法使いなの」
一瞬、俺を除く世界中の人々の頭がおかしくなってしまったのかと疑った。
実は老婆や妹だけではなく、街行く全ての人がこんな具合にクレイジーになっているのだ。
俺は相当ポカンとしていたのか、妹は、言葉だけじゃ信じて貰えないよね、と苦笑いした。
「これならどうかな。ウトイモウトイモ、ポルターガイストの魔法!」
ああ、やっぱり俺の妹は……もう……。と悲観してしまったが、それはすぐに驚きへと変わった。
亜里香の部屋に置かれている家具や雑貨が宙を浮き、ふよふよ漂い始めたのだ。
「なっ、なんだ、これは!? まさか、本当に魔法なのか……!?」
「うん。……今まで黙っててごめんね」
「いや、謝られる事ではないが……。と、とにかく、話を続けてくれ、亜里香」
「そうだね。次に、お兄ちゃんが会った老婆だけど……あの人も魔法使い。けど……」
「悪い奴なのか?」
「うん。……この魔法のオーブを使って、世界を支配しようとしてる」
亜里香の手には、光輝く玉が乗っていた。
「だから私はそれを阻止しようと、これを盗み出したの。お兄ちゃんには迷惑を掛けちゃったけど、私にしか出来ない事だから……」
「まあ、俺達の様な一般人は魔法も使えないし、悪い魔法使いが世界を支配しているなんて、知る由も無い。どうしてお前は魔法使いに?」
亜里香は、あの老婆に魔法を教わったと言う。
世界征服の手ごまとして利用するつもりだったのだ。
しかし、悪の道に降らなかった亜里香は、世界征服の要となる魔法のオーブを盗み出した。
「……良し。老婆や亜里香の事はある程度分かった。……俺が次に聞きたい事、分かるよな」
亜里香は恥ずかしそうに顔を赤く染め、俺から視線を反らし、立ち上がった。
語らぬ代わりに、一冊の本を本棚から取り出す。
あるページを開き、俺に差し出して来た。
「おちんぽ人間の呪い……」
そこに描かれていたのは、いかにも魔女と言った風貌の黒い女と、巨大なおちんぽを生やしたミイラの様な男だ。
外国の童話風の挿絵だが、本文は日本語で書いてあった。良かった。
おちんぽ人間の呪いとは、生命エネルギーの全てをおちんぽに使ってしまう呪いである。
これにより、呪いを掛けられた者は、無限の射精が可能になる。
しかし、射精の度に確実にエネルギーを消費しており、射精を続ければ、いずれおちんぽ以外が痩せ細り、最後には死んでしまう。
オナニーなどしようものなら、永遠に続く快感に、おちんぽから手を離す事が出来なくなり、この挿絵の様な末路を迎えてしまうのだ。
「……だからか」
「うん。他の人にしてもらえば、止め時を失って死ぬまで続けちゃう事もないから……」
「これから、俺はどうすれば……」
「あ、安心して! 私がお兄ちゃんの……お、おちんちん……のお世話しながら、呪いを解くから!」
「お、おちんちんの世話!? ば、馬鹿! 俺達は兄妹だぞ!?」
「で、でも! お兄ちゃん死んじゃうんだよ!?」
駄目だ。亜里香の目には強い決意が滲んでいる。
説得してどうにかなるとは思えなかった。
「分かったよ。……俺も出来る限りの事はするからさ、何とか呪いを解こう」
こうして、俺達兄妹の淫猥で凄惨な戦いが始まった。
第2話「足で! 腋で! おちんちんのお世話は大変!」へ続く!