ある日の事だ。
ムラムラしていた俺は、妹である柚季に、一つの提案をした。
「今日は一日、あらゆる場所でフェラチオしてくれないか? フェラチオの日だ」
柚季からの返事はない。
聞こえていなかったのだろうか。俺はもう一度、同じ台詞を口にした。
目線を合わせずに柚季が言った。
「聞こえてるけど、聞こえてない振りしてるの」
「何故だ? この俺のちんぽをしゃぶり放題なのだぞ?」
「お兄ちゃんだけ気持ち良くなるなんて……ずるいよ……」
後半は聞き取るのに苦労するほど、小声だった。
しおらしい態度で俺の情に訴えかけようとしても、無駄だ。
フェラチオの日を受け入れないと言うなら、強硬手段に出るまでだ。
「俺の魔法を見せてやろぉぉ!!」
*
「うっ……くぅっ……はぁ、はぁ……」
柚季は顔を上気させて、荒い息を吐いている。
額にはうっすらと汗が滲む。
「どうだ? 俺特製、貞操帯の付け心地は」
「は、外して……お願い……」
柚季の懇願に対して、何も言わず、俺はスカートをめくり上げた。
黒いゴム製の貞操帯が露になる。
鍵穴の無い錠でしっかりと固定されたそれは、俺にしか解く事が出来ない。
「俺を満足させる事が出来たら、外してやろう」
ツルツルとした手触りの貞操帯を撫でる。
内側には、球形の突起がいくつか付いており、こうして手を沿わせていると、微かに振動が感じられる。
それが柚季の態度の原因だ。
「分かった……約束、ちゃんと守って、ね……?」
念押ししてから、柚季が俺の前に跪いた。
ベルトが抜かれ、パンツが膝まで降ろされた。
すでに勃起しているちんぽに、柚季が舌を伸ばした。
裏筋を、根本から亀頭へ向けて舐め上げられる。
快感と、柚季を支配している事への興奮に、背筋がゾクゾクと震えた。
柚季は口を大きく開き、亀頭を咥え込んだ。
顔を前後に動かし、『抜き』にかかった様に思える。
温かく、柔らかな口内の感触に、思わず身を委ねそうになるが、まだ射精すべきではない。
俺は腰を引いて、ちんぽを柚季の口から引き抜いた。
唾液が糸を引き、柚季は熱っぽい息を吐いた。
俺がズボンを履き直す動きを見せると、不思議そうに首をかしげている。
「さて、出かけようかな」
「えっ? 外してくれるって……」
そう言った柚季は、太ももをきゅっと、閉じて、快楽に耐えている様子だった。
俺は柚季の唇を親指で撫でた。
「ああ、外すよ。俺が満足したらな」
指先に付いた、唾液と我慢汁が混ざった物を舐め取り、俺は柚季に背を向けた。
柚季はよろよろと立ち上がり、俺の後を追ってきた。
「魔法で結界を張ってあるから、外で何をしようと、そこまで干渉して来ない」
「そ、そこまで、って、どう言う事……?」
通報されたりはしないが、じろじろと見られる事はある。
そうなる様に、魔法を使ったのだ。
我ながら、万能過ぎて変な笑いがこみ上げる。
柚季は訝しみながらも、俺に続いて外へと出た。
「まずは……腹ごしらえと行くか」
空間転移の魔法を利用し、某ファミレスまでやって来た。
平日の午前中なので、人はまばらにしかいなかった。
店員に案内され、中年主婦集団の近くに席に通された。
適当に料理を頼み、柚季に話しかける。
貞操帯により、秘部を刺激されている事を周囲に悟られまいと、強張った様子だ。
「俺を満足させなくて良いのか?」
「え……? でも、ここで……?」
「さっきも言ったが、大事には、ならないよう、手は打ってある」
それでもなお、柚季は動こうとしなかった。
ならば仕方あるまい、俺は指を鳴らして、魔法を発動させた。
柚季が身に着ける、貞操帯以外の物が、全て透明に変じた。
徐々に服が透け、白い肌がぼんやりと浮かび上がる。
程よく引き締まったお腹、豊満な胸に、ツンと勃起した乳首。
「えっ? い、いやぁっ!!」
悲鳴を上げて慌てて胸を隠すも、それは裏目に出た。
却って視線を集める結果となった。
ひそひそと、冷ややかな声色が上がる。
「柚季、早くした方が良いんじゃないか? 昼が近づけば、人はもっと増えるぞ?」
柚季は顔を赤く染めながら、俺を睨んだ。
「もっと恥ずかしい目に遭わないと、理解出来ないか?」
胸を隠したまま、柚季がテーブルの下へと潜り込んだ。
彼女が座っていた位置には、滴り落ちた愛液が小さな染みを作っていた。
股の間に来た柚季は、片手でチャックを開き、おちんぽを取り出した。
すぐに口は付けず、おちんぽを指先で撫でている。
我慢汁を塗り広げられる様な、おちんぽの弄り方は心地良くあったが、今日はフェラチオの日だ。
柚季を急かそうと、貞操帯内の振動を激しくしようと思ったが、先に柚季が口を開いた。
「柚季の事虐めて、お兄ちゃん、興奮した?」
「ああ……まあな……」
気恥ずかしくて、ぶっきらぼうに言ってしまったが、柚季は満足したようだ。
ふふ、と笑ってから、おちんぽを口に含んだ。
→【2】へ続く◆目次へ戻る