ぬるり、と触手がラバースーツに入り込んだ。
イルの首筋にくっきりと、触手の形が浮き上がった。
「うう、ぬるぬるして、気持ち悪い……」
嫌悪感を露にするイル。
こんな格好をしている方が悪いと言わんばかりに、触手はより深く、その身体に絡みつく。
「あっ、あっ、やっ、ん……」
触手が胸をまさぐり、尻を撫でる。
その様子が、身体にぴったりと密着しているスーツの上から、良く見える。
黒く、光沢を放つスーツの表面が蠢き、膨らむ様は、まさに犯されている最中と言えた。
「あー……ふあっ、あっ……はぁ、はぁ……も、もう良いだろ?」
額にしっとりと汗をかき、前髪が張り付いている。
触手を操作し、勢い良くラバースーツの外へ排出させる。
にゅるるるっ。
「はぁっ、あっ、ああぁぁぁ!」
密着したスーツの中を高速で移動され、イルはあられもない声を上げた。
スーツの外へ出た触手は、身体を縛り上げていた縄と共に、イルから離れ、消滅した。
俺は魔法で小さなナイフを作り出し、イルに向けた。
小さな悲鳴を漏らす彼女の、胸へとナイフを突き出し、円を描いた。
胸だけが露出するように、スーツに穴が開いた。
「この俺が、女の肌に傷をつける訳ないだろ」
「び、びっくりした……」
露になった小さな胸は、汗と触手の粘液で濡れ光っていた。
「相変わらず……育ってないな」
ピンと勃起した乳首に指を伸ばし、軽く転がす。
「うっ、う、うるさい!」
顔を真っ赤にして、吼えるイルだが、乳首を弄り続ける内に、反応が変わって来た。
はぁはぁと荒い息を漏らし、時折体を震わせた。
「なんだ? 感じてるのか? 胸だけ丸出しにした変態みたいな格好で」
「ち、ちがう! そんなっ、うっ、ああっ……や、やめろ……」
イルは身を捩り、乳首責めから逃れようとした。
触手に全身を愛撫され、乳首を苛められた状態では、身体に力が入らないようだ。
四つん這いの格好で、這いずる様にしている。
「そういや、アナルに何か入れてたな……」
俺はアナルプラグに手を伸ばしたが、イルが先に、それを隠した。
「や、やめろ!」
「嫌だね」
魔法でイルの手を麻痺させると、俺はプラグの取ってを掴んだ。
「知ってるか? この手の魔力を増幅させるアイテムは、魔法が良く伝わるんだぜ」
快感を沸き立てる魔法を、プラグに流した。
腸内に響き渡るそれは、イルの理性を簡単に壊した。
「へっ、あっ、あひぃ、あぁぁぁぁぁっ!」
舌を突き出し、ビクビクと体を震わせ、果てたようだ。
俺はアナルプラグを引き抜いた。
スーツの尻にはプラグを挿す為に、切り込みが入れてあった。
おまんこから流れ滴る愛液が、そこからダラダラと溢れ出す。
扇情的な光景だった。
「か、返して……」
イルは、俺の足にすがりつき、アナルプラグを取り返そうと手を伸ばす。
もう戦える気力は残っていないはずだ。
「どうしてこれが欲しいのか、言ってみろ」
「うくっ、ふーっ……ふーっ……」
荒い息だけを吐き、イルは何も言わなかった。
俺から聞いてやろう。
「さっきの、気持ち良かったのか?」
相変わらず呼吸だけを繰り返すイルだったが、ややあってから、小さく頷いた。
「だったら入れてやるよ。こっちにケツ向けろ」
ゆっくりとした動きで、イルが四つん這いになった。
俺は、頭を押さえつけ、尻をもっと高くあげろと、軽く平手ではたいた。
「よし、あとは入れやすい様に、尻を両手で広げろ」
「う、うう……」
イルはプライドと欲求の中で、迷っているようだ。
「さっさとしないと、これは捨てちまうぞ?」
しぶしぶ、と言った風に、イルは両手で尻を掴むと、ぐっと広げた。
薄く色が染みた、アナルが物欲しげにひくひくと震えているのが、良く見えた。
指先で軽く撫でると、イルは喘ぎ声を漏らした。
プラグを通して発動させた魔法が効いているようだ。
おまんこから滴る愛液のおかげで、滑りも良い。
「これなら充分だ。入れるぞ」
俺はイルが欲して仕方なかった、プラグを彼女の顔付近に放り投げた。
「え?」と呆けた声を上げたイルのアナルに、俺はちんぽを押し当てた。
「俺の勝ちだな」
ぬちゅっ、と音を立て、亀頭が肛門を押し広げた。
「え、あ、やっ、あっ、あぁぁ……」
相当敏感になっているようだ。
先端が少し入っただけで、イルは全身をガクガクと震わせた。
俺は一思いに、根本でねじ込んだ。
「あぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁっっ!! ゾ、ゾクゾクするぅ……!」
絶叫の様な声をあげ、イルは俺のちんぽをしっかりと受け入れた。
入口がきつくちんぽを締め上げ、腸壁が柔らかく亀頭を包み込んだ。
俺はその快感に、思わずうめき声を上げた。
「くっ……凄い締め付けだが、俺は動くぜ……」
ゆっくりとだが、ピストン運動を始める。
腰を振るたびに、たまらない刺激がちんぽに走る。
それはイルも同じ様で、めちゃくちゃに喘ぎ、身体を震わせた。
ラバースーツに覆われた、黒くツルリとした尻を撫で回しながら、俺は詠唱を始めた。
「あっ、あっ、な、なにをするつもり……?」
俺は答えずに、詠唱を終え、魔法を発動させた。
イルの身にぴったりと張り付いていたスーツが、消滅する。
ぽたぽた。
スーツ内に溜まっていた汗や汁が音を立てて、床へ落ちた。
むわっ、とイルの身体から、女の匂いが立ち込めた。
「いやらしい匂いだな。この変態が」
俺はイルの身体に手を伸ばし、上半身だけを起こした。
乳首を軽く摘まむと、イルは喘ぎ、アナルをきゅっと締めた。
匂いに当てられた俺は、腕を持ち上げ、ツルツルの脇に舌を伸ばした。
レロレロと舌を往復させ、汗を舐め取る。
「やっ、あっ、ああぁぁっ、やめっ、やめてぇぇ! 恥ずかしい……っ! あっ、あん……!」
イルの様な反応を受けて、止める男なんていないだろう。
俺は唾液を撒き散らす様に、乱暴に、イルの脇にむしゃぶりついた。
腰の動きが自然と早くなる。
「あっ、いっ、イクッ! お尻で、ちんぽにイカされる……っ! あっ、あぁぁっ!!」
ぎゅぅっ、とアナルが締まり、全身がビクンビクンと震えた。
俺も釣られて、果てた。
イルの腸内に、精液が迸った。
*
「つ、次は必ず勝つからな!」
279敗しても、諦めないその根性だけは、誇りに思って良いだろう。
果たして、本当に勝つつもりがあるのかは、分からないが。
「な、なぜ黙っている」
「いや……考え事だ。次はどうやって倒してやろうかと思ってな」
「ふん。次は私が勝つんだ、お前は保険でも探しておけ」
イルはそんな事を言って、俺に背を向けた。
魔法の詠唱を始めると、彼女の足元に魔方陣が現れた。
すぐに魔法界への転送が始まる。
「そ、そうだ! 一つだけ言っておく事がある」
「なんだ?」
「……なるべく柚季が居ない日に来いよ!」
イルは首をかしげ、「分かった」とも「知らない」とも言わずに、魔方陣と共に消えてしまった。
……イルに勝機があるとすれば、浮気に怒った柚季が俺を刺す様に仕向けるくらいだ。
そこまで考えていないと良いが。
俺は少し不安に思いながらも、家へと戻るのだった。
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